アパートやマンションに住んでいると、切っては切れない騒音問題。響いてくる音や大きな笑い声等が一度気になりだすと、眠れなくなることも珍しくありません。怒鳴り込んでいきたい気持ちを抑えて我慢している日々を終わりにするには、どのような解決方法があるのでしょう。一人暮らしの人の為に、自分一人でも対策できる方法を調べてみました。
目次
アパート・マンションの騒音問題を伝える方法
管理会社や管理人に相談する
騒音に悩まされるようになったらまず頭に浮かぶのは、管理会社や管理人に相談することではないでしょうか。この時に、ただうるさいことだけを感情的に伝えてしまうと、ただのクレームのように捉えられてしまうので、注意が必要です。具体的に何時頃、どのような音が、どれくらい続くかなどを伝えるようにしてくだい。日頃から気になった日時をしっかりメモしておくようにします。
場合によっては、大家さんや管理人(管理会社)がマンション内の掲示板に注意喚起の張り紙をしたり、場合によっては直接注意してくれることもあります。それで静かになればいいのですが、残念ながらあまり効果がないことが多いようです。
と言うのも、自分が出している騒音というのは、当人は気がつきにくいものだからです。そもそも気がついていたら、少しは気をつけるはずですよね。ですから注意喚起の張り紙を見ても、きっと本人は自分のことだとは思わないはずです。そうであれば、直接注意してもらう方が、比較的効果は期待できます。ただ、昨日までうるさかった物音がピタリとおさまることは期待しない方がいいでしょう。
直接言いにいく
一人暮らしの方で、特に女性には中々できない方法ですが、どうしても今すぐ静かにしてもらいたい!と思った時や、管理会社の対応に不満を感じた時は、直接文句を言いにいくのも1つの方法です。しかし直接文句を言ってしまうと、その後顔を合わせづらくなってしまったり、時には逆ギレされてしまうリスクもあります。さらには嫌がらせをされるようになったり、逆恨みして管理会社に大袈裟な内容を伝えたりするなど、違うトラブルにつながってしまったケースもあるのです。よほどのことがない限り、直接抗議しに行くのは避けた方がいいでしょう。
周りの住人と相談する
隣人や上階の騒音や大声に悩まされているのは、おそらくあなただけではありません。マンションの構造上、騒音は階下だけでなく隣や上など周りの全てに伝わりやすいからです。騒音を出している家の上下左右の住人に、状況を確認してみてください。もしあなたと同じように悩んでいる人がいたら、皆で団結して管理会社や本人に伝える方が効果を望めますよ。
警察を呼ぶ
上階や隣家の騒音がかなり大きいものであれば、警察に電話すれば駆けつけてくれます。騒音ぐらいで警察なんてと思うかもしれませんが、夜中に大騒ぎされて眠れないほど迷惑な場合や、事件性のある騒音は通報しても大丈夫です。この時は地元の警察署でも対応してくれますが、110番通報しても怒られたりはしません。
実は筆者も、マンションの階下の住人が飲酒をして大騒ぎしていた時に、通報したことがあります。すぐに来て注意をしてくれたようで、静かになりほっとしました。(ちなみにこの住人がうるさかったのは、この一度だけです。)
ただし、警察に通報する時は、直接抗議した直後の通報は通報者を特定されて逆恨みされる場合があるので注意してください。できるだけ通報者を特定されないよう直接抗議する前に警察に相談してください。また、日常的な足音などの騒音で緊急性のない場合は、警察も介入してくれません。
弁護士に相談する
騒音は「民放709条の不法行為」にあたり、民事訴訟の案件に該当します。日常的に騒音があり、それにより心身ともに健康被害が出ている場合などは、損害賠償を求めて認められている判例がいくつもあります。ただ、法的な手段をとる場合は実害などを証明する必要があり、手間や時間、お金がかかってきます。
ちなみにマンションでは、日中55デシベル以上、夜間は45デシベル以上で騒音と判断されます。このような音が長時間続いたり、昼夜問わず毎日するようであれば、裁判で勝てる可能性があります。
ただし、手間や時間・お金がかかってきてしまうことまで考えると、一人暮らしで法的手段を取ることは、あまり得策とはいえないかもしれません。どうしても、現在の住まいを引っ越せない事情がある方の最終手段と考えましょう。
その他の方法
騒音が始まったら「耳栓をする」、「音楽を聴く」、「外出する」、「他の部屋へ行く」など、騒音を気にしないようにする方法もあります。それで済むようであれば、1番かもしれません。
時々、「わざと音を立てて窓を閉めてみる」、「下から棒でつつく」などの行為をする人がいますが、これはほとんど効果がないばかりか、あなたが騒音を出していると思われてしまう可能性があります。相手の逆恨みを買う可能性がありますので、感情的になってしまう気持ちは分かりますが、絶対にやめましょう。
実際にあったアパート騒音問題のトラブル事例
ここでは、実際に起きた騒音トラブルについていくつか紹介します。
騒音問題が警察沙汰に
隣人が夜中まで大騒ぎを繰り返すことに悩んでいたAさんは、ある夜耐えかねてインターフォンを鳴らしました。迷惑そうに出てきた隣人は、その時は「すいません」と一言謝ったものの、また数日後には大騒ぎをしてAさんは困ってしまいました。大家さんに相談しても、「伝えておきます」の言葉だけで、本当に伝えてくれたのかもわかりませんでした。
そんなある日、Aさんが夜遅くに仕事から帰ると、また隣人は大騒ぎをしていました。怒りが抑えきれなくなったAさんはそのまま隣人宅へ怒鳴り込んでしまったのです。その結果怒鳴り合いの大ゲンカとなり、警察まで出動する大変な騒ぎになってしまいました。
騒音問題が裁判沙汰に
マンションに住むBさんは、上階の足音がとてもうるさく、時々夜遅くにも子どもが走り回るような騒音が続くことに困っていました。マンションの構造上多少ひびくことは我慢できましたが、飛び跳ねるような音や、何かから飛び降りるようなドスンという音には、ほとほと嫌気がさしていたのです。昼間ならまだしも、それも夜遅くにもあるのです。
ある日上階の部屋を訪ね、母親らしき人物に騒音について伝えたのですが、「子どもだから注意しても無理」と言われてしまいました。その後も相変わらずうるさいことに頭にきたBさんは、弁護士に相談に行き、証拠を揃えて訴えることにしたのでした。
このように、相手によっては騒音問題からさらなるトラブルを招き、心身ともに疲れきってしまうことも珍しくありません。だからと言って我慢するのにも限界があるのは事実ですよね。
最終手段は?
どうしても解決しない場合や、これ以上悩みたくない場合は、思い切って引越しをするというのも、選択肢の一つです。引越しの費用や時間などはかかりますが、騒音に悩まされる日々をうつうつとして過ごすより、よっぽどいいと思いませんか?
次の引越し先を探す時には、不動産会社等に騒音問題で引越しを決めたことを話しておきましょう。最上階や角の部屋を選んだり、入居前に何度かチェックするなどして、確実に静かに過ごせる部屋を選ぶようにします。
騒音問題解決のまとめ
まずは冷静な判断を
アパートやマンションの隣部屋や上の階からの騒音は、日常的に続くと精神的に参ってしまいますよね。そんな時に、騒音を出している当事者に伝えにいく時、どうしても感情的になってしまいがちです。
まずは、こちらも冷静になってください。夜中の音楽や飲み会などの騒音がでているタイミングで、上記のように相手に伝えにいくのも一つの手段ですが、今後も騒音を出している相手と同じアパートやマンションの住人として長く住み続ける為にも、相手に逆恨みされないように波風を立てないようにすることが大切です。
一人暮らしの方でも、騒音問題を解決できる方法の一つとして簡単にできることがあります。
それは、騒音が出た翌日などに手紙やメッセージを書いた紙などで、相手にこちらの被害をやんわりと伝えてみましょう。
なぜ翌日なのかといいますと、その方が騒音を出している相手も冷静になっている可能性が高く、こちらの訴えが伝わりやすいからです。
その際に、例えば『昨夜の23時半頃に、大音量の音楽の音で眠れませんでした。』など、なるべく日時やどんな音がしたかなど具体的に書くと良いでしょう。こちらの部屋の番号までは伝える必要はありません。あなただと特定されない為にも、「近所の部屋の者ですが・・」と濁して構いません。手紙の文章も、感情的にならずに、丁寧な文面で伝えてくださいね。
自分の部屋を防音対策する
隣の部屋や、上下階からの生活音や音楽などが聞こえやすいということは、逆にいえば、自分の生活音も相手に筒抜けということが考えられます。そこで、自分の部屋の家具の配置を変えて、なるべく音が響かないような間取りを考えてみましょう。
最後に
いかがでしたか? 騒音に対する人の感じ方はそれぞれで、生活している以上全くの無音というのは無理な話です。しかし、騒音によって本来くつろげるはずの我が家でイライラが続くようでは、体調を崩しかねません。そこまできたらもう立派な騒音被害なのです!
今回紹介した解決方法が役に立ち、あなたが快適な生活を送れることを願っています。